2008年3月16日日曜日

07/8夏合宿は奥秩父・東沢釜ノ沢へ



●リーダー下痢で奥利根から奥秩父に変更
 昨年(2006年)の夏は果敢に知床・サシルイ川を攻めた某国立大ワンゲルOBパーティーは、昨年末からミーティングを重ね、Tをリーダーに今夏は利根川水系・水長沢を遡行する計画だった。5月にはプレとして奥多摩・川苔谷逆川、6月には奥多摩・大丹波川真名井沢をこなし、川苔谷ではザイルワークの練習も行った。奥利根のボート会社・奥利根マリンの予約も済ませ、あとは列車に乗るだけのはずであったが……。
 ジャカルタに出張していたTから「明日帰国するが下痢が始まった」というメールが入ったのは入山2日前の8月1日、翌日になると「帰国したが水様便止まらず山は無理」と泣きが入り、パッキングも終了し、休暇モードで出勤していた在日組は途方に暮れた。昨年、Tはサシルイ川遡行後、大腿部が何かにかぶれて腫れ上がり、下山後、網走の皮膚科を受診するというおまけがついた。今年も入山前からやってくれました。
 奥利根に詳しい手塚なしで水長沢は困難と判断した。しかし、休みを取ったのに山に行かないのもしゃくだと考え、3人で幾度もメールのやりとりをした結果、計画を変更することにした。結局、5年前にも遡行して勝手知ったる(はずの)奥秩父・東沢釜ノ沢に決定。メンバーは私、I、Kの3人、平均年齢48歳である。

●I、蝉になる——それなりに危ない釜ノ沢
8月3日(金)曇り
 大遠征でもないので昼前に自宅を出る。JR特急で12:54塩山着。昼飯を駅前で食べてからタクシーで西沢渓谷バス停まで入る。途中、夜が麻婆豆腐ということで豆腐を買って行く。14時ころから歩き出す。途中からハイキングコースを外れ、東沢の登山道へ。道は結構荒れており、一般登山者は入山禁止となっている。アップダウンが激しい沢沿いの道を約2時間で山の神。左岸にテンバがあり幕営。久々に焚き火を楽しむ。高野豆腐ではない本物の豆腐の麻婆は美味しい。

8月4日(土)曇り時々晴れ
 7時50分より遡行開始。快調に遡行を続け10:20釜の沢出合い。ここから核心部に入り、魚止ノ滝、千畳のナメ、スラブ滝などを巻き中心で超えて行く。5年前は雨中の遡行で水量も多かったが、今回は水は適量でさほど困難もない。11:30、西俣、東俣が合わさる両門の滝到着。ちょうど日も差してきて夏の沢登りの素晴らしさを実感する。
 両門の滝から東俣に入る。ここは東俣の滝の右側を踏み後に従って登って行く。7割方登ったところで傾斜が急になりトレースが曖昧になる。確か5年前は藪の中をもっと大きく巻いたはずだと思いながら、滝の脇の急傾斜のスラブを登って行くと行き詰まった。落ち口まであと3〜4メートル。しかし、ちょっとやばい。
 私は巻き道を探しに少し降りる返した。なんとその間にKは「えいやっ」と確保もなしで登り切ってしまった。子持ちサラリーマンがやることではない。Iも知らぬ間にKの後を付いて行ったが登り切る前に行き詰まる。身動き取れず10分ほど蝉になる。
 結局、私が木の枝をつかみながらの大高巻きを敢行、Iもそれに付いてくる形で2人とも急傾斜の藪中の人となる。この時、ザイルは私が持っていた。Kが持っていれば確保もできたろうに。段取りの悪さといったらない。約1時間かけて両門の滝を超えたが、沢登りの技術、センスの衰えを痛感。5年前は何なく超えていたのに。ショックを受ける。
 実は釜ノ沢の辛さはここからだ、長い、長い広河原のゴーロ歩きが始まる。両門の滝を巻き終わって歩き出したのが12:30で、ゴーロ終了点の水師沢出合いは14:30であった。ここからは小滝群が続き、傾斜もきつくなる。豪快で高度感もある3段30メートルのスラブ滝は右手の木賊沢側の部分を登る。ここも落ちたらやばい。直登後、左手にトラバースし沢に戻り、再び急登。甲武信小屋到着は15:30〜16:00であった。
 疲れ果てていたので、テントはやめて小屋止まりに変更。酒を飲み交わす元気もなく、夕食後、全員爆睡してしまった。5年前は1日で西沢渓谷から甲武信小屋まで登ったが、今の我々ではそんな計画、到底無理である。

8月5日(日)晴れ
 翌日は甲武信岳をピストンし、西沢渓谷に下山した。近場で急遽決めた計画にしては、それなりに充実した山行ではあった。ただ、年齢と共に体力・技術・センスの限界も見え始めた。果たして手塚が完調であったとして水長沢は行けたのだろうか?もうあまり無理するのはやめて、これからは楽しい山行を続けていこうと、下山後3人で確認しあった次第である。
 2008年はプレは宮城・二口・樋の沢、夏は黒部源流あたりがいいのでは。

07年2度目のプレ山行、奥多摩・真名井沢



10カ月近くもブログを書かなかったのだが、2008年もそろそろ山のシーズンインなので、再開しようと考えた。取りあえず、昨年の山行あたりから順次書いていく。今年に追いつけばいいのだけど。
2007年は山仲間の夏合宿の目的地を、奧利根の水長沢と決めて、2度ほど沢の準備山行を行った。6/9に行ったこの真名井沢は川苔谷に次いで今年2本目。入門的な沢だが、朝のうちは天気が悪く、雨の中の遡行となった。しかし難しい滝もなく、順調に高度を稼ぎ、途中から流木が多い汚い沢となったので左側の尾根に向け藪を漕ぐ。尾根に上がると天気も持ち直してきたので、中年5人、川苔山ピストンを決断し、ピークを目指す。頂上で昼ごはんを軽く食べた後、鳩ノ巣に下山。いつもの一心亭で温泉に入り、蕎麦、鮎などをおごって帰路についた。一心亭は適度にひなびていて、客が少なく、蕎麦がとてもおいしい素敵なお店です。